過去ログ - ペルソナっぽい悪魔設定のシェアワでお話を書いてみたい人集まれ
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234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/16(水) 18:25:27.39 ID:AwOwht7To

 彼女は躊躇なく能力を解き放った。
 いくつもの火球が暗闇に浮かびあがり、前方の暗闇に吸い込まれる。
 手応えはあったが効いている気配はなく、彼女はさらに能力を強める。
 火炎によって轟音と強風が巻き起こり、サラの髪を逆立たせる。
 だがやはり効かない。

 火勢は弱めないまま、彼女は懐から銃を抜いた。
 銀の弾丸を影に向けて撃ち込む。銃声が立て続けに響き渡る。
 さほど経たぬうちに撃ち尽くしたそれを背後に捨てると、サラは次に剣を抜いた。
 突進する。
 そして大上段に構えたそれを力のままに振り下ろした。

 それは唐突だった。
 その時認識できたのは、視界がぶれて何やら頭蓋の奥の脳が大きく揺さぶられたような感覚だけだった。
 叩きつけられて理解する。腹の激痛がその理解を助けた。弾き飛ばされたらしい。
 自分がどれほどの痛撃を受けたかも把握できないが、起き上がることすらできない。
 痙攣が身体を突きぬけた。

 どうやら、とぼんやり気付いた。火蜥蜴の悪魔は今の今まで自分を認識してすらいなかったらしい。
 「多少うざったいな」程度だったのだろう。振り払われて、このざまだ。
(くそっ! お前たちにとってわたしはその程度!?)
 火炎が見えた。
 火蜥蜴の悪魔が放ったそれは大きく膨らんで、サラを静かに呑み込んだ。



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