過去ログ - ペルソナっぽい悪魔設定のシェアワでお話を書いてみたい人集まれ
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49:ほいッスる ◆2PnxfuTa8.[saga ]
2012/03/26(月) 21:20:19.41 ID:EKup6GzM0
【ブギーマンは笑ってる 第四話「Sitting On The Dynamite」】

「ったく、訳が分かんねえぜ!
 俺はガキしか居ねえと聞いたからあの家に忍び込んだんだぜ?
 なのにあんな奴らが居るなんて聞いてねえぞ!」

 青年は車を走らせていた。
 後部座席には気を失って手錠をはめられたクライン。
 青年はバックミラーからクラインの様子を伺う。

「見たところこの国の人間じゃあねえみたいだな
 養子か何かか?
 まあ良いや、俺は金さえ手に入れば……」 

 その時、青年の目にクラインのポケットからこぼれ落ちる乳白色の宝石が映る。
 彼は宝石の価値が解る男ではない。
 しかしその石にはなんとも言えぬ不思議な魔力が有った。

「こいつは……」
 
 震える手、早鐘を打つ心臓、男はそれをひったくって懐にしまう。
 しばらく車を走らせるとすぐに彼は指定されていた場所に到着する。
 廃工場、男は車を降りてクラインをその奥に運ぶ。
 そこには彼の雇い主が居た。

「ご苦労だったね」

 老人だ。

「おう、あんたの言うとおりにガキを連れてきたぜ」

 老人はクラインを受け取るとまるで儀式の供物か何かのように祭壇の上に置く。

「礼を言おう」

「それよりもさっさと金を出してもらおうか」

 老人は祭壇のすぐそばにおいてあったケースを開けて男に中身を見せる。

「ああ、これで構わないね?」

「ああ、それじゃあ俺はずらかるぜ」
 
 男はすぐに

「そうだ、少し待ってくれたまえよ君」

 その声で男は振り返る。
 そこに居たのは人間ではない、二足で立つ巨大な牛のような怪物。
 人間よりも大きい斧を持つ巨大な怪物。
 名前をミノタウロスという。

「な、なななな、なんだおまえひゃ!?」

「いや君はよく働いてくれたよ、だから何処かに行かれては困る
 それに……あれだ」

 逃げる青年を見つめて老人は笑う。

「小腹が空いた」

 斧が振り下ろされる。
 廃工場の中に絶叫が満ちる。
 それを合図にするかのように一台のジムニーが扉を突き破って廃工場に突入してきた。


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