過去ログ - ペルソナっぽい悪魔設定のシェアワでお話を書いてみたい人集まれ
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64:ほいッスる ◆2PnxfuTa8.[saga ]
2012/03/27(火) 06:32:10.69 ID:KBELfOe60
「私は私という最悪の人間をも救う口実が欲しくて多くの人を救おうとしたのだ」

 そう言って酒を飲み干す。

「そして結局、私は人間で居ることに耐えられなくなった」

 人間を捨てるために大きな代償を払って化物になった。
 そしてなまじ才能があって、希少な蟲という属性を持った為に
 
「醜い化け物になり果ててしまった」

 自嘲気味に呟いて、ブギーはため息を吐いた。
 醜い化け物、否、それですらない。
 悪魔にもなりきれず、人にも戻れず、黄昏の夕景の内に無可有の郷を探す修羅。
 
「でもブギーさんは私を助けてくれました」

 小さな、でもはっきりした声でクラインは言う。

「そんな立派なものじゃありません
 貴方のお友達を見捨てたということです」

「それは……」

「何かを救うことは何かを捨てること
 何かを選ぶということは何かを選ばないということ
 こんな簡単なことに気づいていたのにそれでもそれを認められなかった
 だから私は……」

「なら私がブギーさんを助けます」

 子供ゆえの自らが選ばれたという陶酔感に酔っていたのかもしれない。
 もしくは自信の持ち主に対して媚びてみせただけかもしれない。
 狭い世界しか持たないゆえの無知な発言かもしれない。
 でもそれはクラインとしては真剣で歪な愛情表現だった。
 自身はその歪さには気付かないが。


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