過去ログ - ペルソナっぽい悪魔設定のシェアワでお話を書いてみたい人集まれ
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79: ◆2PnxfuTa8.[saga sage]
2012/03/29(木) 12:18:38.42 ID:KS3f81tB0
【ブギーマンは笑ってる 第八話「金色のカペラ」】

 ブギーは部屋の窓から月を眺めていた。
 クラインは既にすやすやと眠っている。
 ブギーはパソコンを開くとニュースサイトにアクセスして怪事件や異常気象などがないか調べる。
 悪魔憑きが動く時は往々にしてこのようなことが起きる事が多いのだ。
 そしてそれに合わせてエクソシスト等が動くので悪魔憑きの中にもこういった事件に警戒を払うものが居る。

「……ふぅん、何も無しか」

 時刻はまだ午前0時
 熱い月明かりが悪魔憑きの血を沸かす時間帯だ。

「少し、外の空気でも吸ってきますかね」

 前回の事件以降、ブギーは人払いの結界だけでなく防護結界や番犬代わりの使い魔を配備するようになっていた。
 それの性能を試す意味合い
 向かう先はホテルの屋上。
 かかっている鍵は魔術で簡単に外れた。
 見あげれば星空。
 天球の中心には満ちる月。
 彼は懐からトランプを取り出すとそれを空に向けて一枚ずつ投げつける。
 トランプは蜻蛉に変化して直線的な動きでそこら中を飛び回る。
 ブギーが指を弾くと好き勝手飛び回っていたソレは一瞬で隊列を組んで真っ直ぐに飛翔する。
 もう一度指を弾くとブギーの懐に向けて一列になって飛翔。
 トランプに変化して彼のポケットに収まった。
 次に彼は自分の持つ魔力を足元に転がるコンクリート片に丁寧に込める。
 コンクリート片は次第に足を伸ばし甲殻を手に入れ一匹の蜈蚣に変化する。
 ブギーが指を弾くとそれは小さな音を立てて爆発し、辺りに甘い香りをまき散らした。

「ふむ……」

 目をつぶってその場に座り瞑想を始める。
 しばらくしているとどこからか野生の虫達が集まってくる。
 それらは瞑想をするブギーの周りで互いに喰い合い殺し合いを始める。
 二時間ほどすると掌ほどの大きさの蜘蛛がブギーの目の前に居た。
 どうやらその虫が殺し合いの勝者らしい。

「……ほう」

 目を開けたブギーが小さく感嘆の声をあげる。
 彼はその蜘蛛をつかみとると胃袋の中にしまい込む。
 ブギーの持つ蟲の属性の魔力は“生命の集約”を得意とする。
 彼はこの生命の集約と生命のエネルギーに注目して体内に膨大な生命を貯めることで自らの存在を神の領域まで高め、最終的には世界の外側へと至ろうとしていた。
 今日もまた多くの命が彼の内側に取り込まれる。
 全てが終わると彼は部屋に帰っていった。 
 翌朝、クラインが目を覚ます。
 ブギーはソリティアを楽しんでいた。


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