過去ログ - 阿良々木暦「怪異なんて、本当はいないのだから」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/03/26(月) 09:42:07.81 ID:qCR8h79jo
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「次に阿良々木君の妹、長女の火憐ちゃんの話だね」

ん?待てよ。よく考えたらいろいろおかしいだろ。この会話。

「まてよ忍野。そっちの話もすると、時系列的にお前が知らない話だろ」

「あー、それじゃあ、これは阿良々木君の夢のなかのおはなしで
夢で僕が語りかけてる。ってのはどうだい?」

「いいかげんだな」

いいかげんなおっさん、忍野メメ。
職業はホームレス。

そろそろこいつの存在自体も怪異で、本当はこの世に存在しないのではないかと思えてきた。

「それともオチで僕が阿良々木君に『お疲れ様でしたー。再来週の金曜にまた来てくださいねー』とか言っちゃえば」

「精神病院オチじゃねえか!ホントのカウンセリングか!」

それだけは避けたい酷いオチだった。

「まあ細かいことは気にせず、君の妹の怪異の話しさ」

「ああ」

僕の大きい方の妹。阿良々木火憐は蜂に刺された。

熱と痛みに苦しみ、それでも闘おうとしたマゾかっけー妹だ。

「蜂に刺された少女。ただの催眠術だね」

「催眠術って」

単純明快すぎる結論だった。

確かに、貝木は偽物の怪異と言っていた。
怪異に偽物も本物もあるのかは、今の僕にはもうわからなくなっているけれども。

それでも、あえて結論付けるならば催眠術が最も当てはまるのであった。

「かかりやすい人は本当にあっさりかかるもんだからねえ。
そのせいで一日だけひどい体調不良になったのだろうさ。
あるいは本当に蜂に刺されたとか、注射針で妙な毒物を打たれたとか、インフルエンザにたまたまかかったとか。
人間が人間にできる範疇ではこんなものだねえ。」

「まあ、そんなところかもな」

「そんなものさ、怪異なんてね」

人間が人間相手にできる範疇の事象を、あたかも人間以外の仕業に誇張する。

偽物の怪異。偽物の事件。偽物の決着。

所詮、怪異なんてそんなものなのだろう。



「さて、次がいよいよ本題だよ阿良々木君」

「・・・。」


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