過去ログ - 阿良々木暦「怪異なんて、本当はいないのだから」
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19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/03/27(火) 00:16:03.46 ID:0avADKRHo
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「傷の治りが早いのも、不老不死なのも当然だ。怪我なんてしないのだから・・・」

「そうだろうねえ。」

「やっぱり変なのかな、本当はいない妹が存在するかのように生活するのって」

その家その家で生活のリズムは異なるように、その家その家でルールが異なるように、僕の家では、これは当たり前の事だ。

「人それぞれ、とは言い難いレベルではあるね」

「それでも、これが僕の家の日常だ。子供の頃から、僕の家には月火ちゃんがいる」

「『いる』、かい?」

「ああ、いるとも」

ここから少し過去の話をしようと思う。
僕にとっても、すでに曖昧になり始めた記憶を呼び起こして語るので、多少怪しい部分がある感は否めないのだが。

「僕がまだ幼稚園に通っていた頃、僕の母親は妊娠していたんだ。
よく火憐ちゃんを抱っこしながら、いっしょに産婦人科に行ったのを憶えている。

だんだん大きくなるお腹、女の子だとわかって名前を考えていた両親、
火憐ちゃんがもう着なくなった新生児用の服を洗濯したりもしていた。」

僕自身も、新たな妹の誕生を歓迎し、祝福していたのだろう。

とても楽しみにしていた記憶がある。

「それでも、僕の妹は生まれてこれなかったんだ。」


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