過去ログ - 結標「貴女なんて」白井「大嫌いですの」
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41:>>1[saga]
2012/03/27(火) 20:10:14.51 ID:TL+uDUOAO
〜5〜

……――わたくしは大馬鹿者ですの。

誰に誉められるでもない痩せ我慢を。

自分で誇る事も出来ない自己満足を。

あわや馬脚をあらわすところですの。

白井「うっ……」

麻酔が効いていてこのざまとはとんだお笑い草ですわ。しゃんとなさい白井黒子、しゃきっとなさい白井黒子。
さして大きくもない器ならばせめて頑強に、さして厚くもない器なりにせめて頑丈に己を静めて鎮めて沈めて。
こんな鉛玉一発お腹に食らったところで膨れるほど、こんな銃弾一撃お腹に喰らったところで満たされるほど。

白井「くっ……」

『白井黒子』は弱くなどないはずですの。少なくとも、『御坂美琴の世界』のわたくしはの話ですが。
それをあんなにも幸せそうなお姉様の前で、心配そうな初春の前で、気遣わしそうな佐天さんの前で。
地金を晒してはなりませんの。焼きを入れ熱を上げ、叩かれる度に伸びて強くなる鉄のようになると。
石のように固い意思と石のように堅い意志と石のように硬い意地と石のように難い意地に齧りつくと。

白井「(申し訳ございませんのお姉様。わたくしは二つほど嘘をつきましたのよ)」

痛苦に歪む自分の脆弱さに、惰弱さに、軟弱さに、真実(よわさ)を虚偽(つよさ)に変えるためにも。
固法先輩にも話せず、お姉様にも話せない昨夜の出来事。憎いであろうわたくしを助け出した憎いお方。
お姉様が救おうとした敵、わたくしを救った敵。気紛れか、悪戯か、嫌がらせか、それさえわからずに。

白井「……わたくしは本当に馬鹿ですの」

何のために彼女の名を伏せたんですの?敵に命を助けられた事を恥じて?いえそれは違いますの、きっと。
恥じるべきは敵に命を救われた自分の弱さですの。本来ならばお姉様に心配される価値すらない類の弱さ。
お姉様があの殿方と真剣に交際を結ばれ、親密に関係を紡がれる事に縮乱されるこの胸に秘められた醜さ。

???「――ええ、貴女は本当に馬鹿ね」

……――何故貴女がここにいるんですの。何故貴女が、お姉様が開けっ放しにした入口にさも当然のように。
腕を組んで背を凭れ、目を細めて唇を歪め、髪をかき上げて足を踏み出して来るんですの。どうして――……

???「――私がせっかく拾ってあげた命をむざむざドブに捨てるくらいなら――」

貴  女  が  こ  こ  に  い  る  ん  で  す  の




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