過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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121: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/04/23(月) 01:23:07.84 ID:wsWWwCFYo

 また夜が来た。
 空は薄紫に染まり、吹く風は心なしか冷たい。
18時を回った頃。陽が沈み、景色だけでなく匂いや人の流れまで、街全体を包む空気が夜のそれに変わっていく。
その、ちょうど夜へと移り変わろうとしている時間を、三人の少女は出会ったばかりの女性と迎えていた。

 夕木命。
 魔女の呪いを受けて自殺を図った女性は今、三人の前で穏やかに笑っていた。
 ここは、彼女を見つけた魔女の棲み家となっていたビルから歩いて数分のオープンカフェ。
街や人がそうであるように、この店も夜の顔を持っているが、今はまだ早めの仕事帰りの会社員などが散見される程度で、
人はまばら。その内の一席、円形のテーブルに四人は腰掛けていた。

「へぇ……魔女、かぁ……」

「やっぱり信じられませんか……?」

 一通りの説明を終えたマミが、おずおずと尋ねる。掻い摘んで説明している間、命はずっと緊張した面持ちで、
一言も発さず聞き入っていた。向こうから言い出した手前、まさか冗談とは取られまいが、素直に現実と受け入れられるかは別問題。
 命はマミの不安を察したのか、

「まさか。信じるわ、この目で見たんだもの。信じざるを得ないわよ」

 両手を胸の前で振って、マミの言葉を否定した。
 真剣な眼差しでマミの眼を見据え、

「そりゃあ驚いてはいるけど、命の恩人の言葉だしね。疑うなんてとんでもない」

 そして、にっこりと笑いかける。



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