過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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170: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/04/30(月) 02:13:33.58 ID:riuFgEhho

 マミの表情にも雰囲気にも、切れる寸前まで張った弦のような危うさは既になく、
険が取れて柔らかになっていた。
 指摘されて初めて、それを自覚する。

「だとしたら……夕木さんのお陰かもしれません」

「私? 私は何もしてないわよ?」

「はい。私が勝手にそう思ってるだけですから」

 命が訳がわからないと首を傾げる様が無性に可笑しくて、マミはクスッと小さく吹き出した。
 それは、マミが久しく見せなかった素の笑顔。
 後輩の前で見せる上品で優雅なそれとも異なる、歳相応の子供らしい顔。

 クラスの友人の前でも滅多に見せたことがない。家族を亡くしてからというもの、
どこか他人に対して一線を引き、強く頑なな自分を作ろうとしていたから。
 それが崩され、否定され、打ちひしがれていた時に、その価値を認めてくれたのが彼女だった。

 人と人との仲は、必ずしも時間と共に深まるとは限らない。
 少なくとも、一方的に好意を抱く分には、時間はさほど重要ではない。
 例えば自分とまどか、鋼牙とさやかのように。

 前者のように共通する物は何もないし、後者ほど劇的な出会いでもない。
 ほんの些細な巡り合わせ。
 それでもマミは、命に好意を抱き始めていた。



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