過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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186: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/05/11(金) 02:33:09.47 ID:Lb8eNkgno

 胸が苦しい。
 いつもなら、こんな程度で動揺したりしない。
 自分では立て直したつもりでも、未だ不安定な感情は意のままにならず、
親の件に触れられた途端、容易く暴走した。

 そして訪れる再びの静寂。マミは、じっとそれに耐えた。
 やがて、頭の上から声が届く。

「ごめんなさい……また私、無神経だったね」

 ハッと顔を跳ね上げると、命もまた沈痛な面持ちで俯いていた。
 どうして彼女が謝る。命は何ひとつ悪いことをしていないのに。本当に謝るべきなのは――。
 マミは深い罪悪感に襲われ、
 
「あ、いえ……私の方こそ、ごめんなさい。ちょっと思い出しちゃっただけで、
夕木さんは悪くありません。むしろ楽しかったから、暗い家に帰るのが少し寂しくなって……」

 適当に取り繕う。
 思い出したのは嘘ではないが、それだけではなかった。
 だが、本当の理由を口にできるはずもない。

 やっと命が顔を上げたのを確認したマミは、目を閉じ深呼吸。
それから数秒して目を開け、おもむろに切り出した。

「あの、良ければ少しだけ私の話に付き合ってもらえませんか……?」

 互いに毅然とした視線が交差し、命が黙って頷くと、マミは語り始める。  
 魔法少女の契約を交わした理由と、それからどうやって生きてきたのかを。




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