過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/03/26(月) 00:05:11.28 ID:3kJPE1Eho
ガロは左手に握った轟天の手綱を引く。轟天は高らかに嘶き、前足を掲げる。
使い魔の群れの中に在っても、その雄姿は埋もれることなく少女たちの眼に映った。
闇に瞬く、唯一の希望として。
地面に叩きつけた前足から生じた衝撃波が、使い魔をまとめて吹き飛ばし、道を作る。
マミの許まで一直線に駆け抜ける道を。
それだけではない。踏み鳴らした蹄の音はガロの右手の牙狼剣にも変化を促す。
金色の光に包まれた牙狼剣は、より長く、厚く、幅広の剣に巨大化した。
牙狼斬馬剣。
堅牢な皮膚を持つホラーをも容易く切り裂く、破壊力に特化した大剣である。
「ふっっ!」
ガロは左から右へと斬馬剣を薙ぎ払う。
ただ一振りで、衝撃波にも耐えてしつこく纏わりついていた使い魔が、完全に一掃される。
当然、こんな雑魚の為の斬馬剣ではない。斬馬剣は名の通り、馬ごと断ち斬ることを可能とする剣なのだ。
これは予備動作。ガロの緑の瞳には、魔女とマミしか見えていない。
魔女が捕らえたマミを振り被った。幾度も同じ場所に叩きつけられた壁面は今、彼女の血で真紅に染まっている。
その材質はコンクリートか未知の物質か。
いずれにせよ、度々の衝撃に耐えきれず破砕した壁は、尖端を剥き出しにしてマミを待ち受けていた。
いよいよ最後の時が訪れようとしていた。これに耐えることは流石の魔法少女でも不可能だろう。
後は喰われるか、薔薇の養分になるだけ。最早、一刻の予断も許されなかった。
しかし、あと少し、あと少しだけ距離が足りない。轟天の脚を以ってしても、マミが串刺しになる方が僅かに早い。
そうガロは判断し、そして轟天の脚が止まった。
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