過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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242: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/05/21(月) 02:30:59.29 ID:OuKAohIbo

「何の音……誰かいるの……?」

 答えは返らない。
 それでも感じる確かな気配と息遣い、薄らと輪郭が見えるような見えないような。
何者かと対峙しているのは間違いなかった。
 
――まさかホラーか魔女……!?

 想像した途端、全身が戦慄く。まどか自身が、際限なく膨らむ魔物のイメージを闇の中に創り出す。
 逃げようにも足が動いてくれない。前にも後ろにも進めず、声を出すことも忘れていた。
 無力な女子中学生を金縛りにするのに、魔女も魔獣も必要ない。
 ただ闇と少女自身の想像力があれば。

 辛うじて、震える足がアスファルトを踏み鳴らした瞬間――。

 ニャーッと、間延びした鳴き声。
 まどかが目を凝らすと、

「なぁんだ……猫かぁ」

 黒猫がまどかをじっと警戒していた。どうやら野良猫が空き缶を転がしただけらしい。
 まどかは、ほっと安堵の息を自嘲も込めてついた。幽霊の正体見たり何とやら、である。
 が、安心したのも束の間。

「――っっ……!?」

 迫る足音を聞き取り、息が止まった。
 今度は断じて犬や猫ではない。ふたつの足が地面を踏む音。
 再び、まどかの全身を震えが襲った。



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