過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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243: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/05/21(月) 02:34:23.24 ID:OuKAohIbo

 ホラーだろうか。それとも魔女?
 人間同様に二足歩行する魔女がいないと言い切れるほど、まどかは魔女を知らない。
或いはもっと現実的な恐怖、不良や変質者かもしれない。既に普通の通行人という可能性は、頭から消え去っていた。

 隠れる場所もなく、頼れるのは後方にある街灯のか細い明りのみ。欠け始めた月も、今は雲に隠れて光は届かない。
 思考を恐怖で塗り潰されながらも、まどかはどうにか覚束ない足取りで後退る。
その間も、足音から一瞬たりとも目を離さない。

 まるで熊か何かから逃げてでもいるかのよう。
 だが最悪の場合なら、向かってきているのは獣よりも遥かに恐ろしい怪物だ。
 視線を外したり、しゃがみ込んでしまえば、待つのは絶対の死。生存への一縷の希望が冷静さを保たせていた。 

 もう少しで街灯という辺りで、足音が加速した。後退を悟られたのだ。
 つまり、まどかの存在に気付いている。
 背筋を悪寒が駆け上がった。
 ならばこちらもと急いで離れようとしたが、足が縺れて転んでしまう。

「ひゃっ――」

――もう駄目!
 
 終わりかと絶望しかけるまどかに足音は更に近付き、その姿が明かりに照らされ出した。


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