過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/05/21(月) 02:34:23.24 ID:OuKAohIbo
ホラーだろうか。それとも魔女?
人間同様に二足歩行する魔女がいないと言い切れるほど、まどかは魔女を知らない。
或いはもっと現実的な恐怖、不良や変質者かもしれない。既に普通の通行人という可能性は、頭から消え去っていた。
隠れる場所もなく、頼れるのは後方にある街灯のか細い明りのみ。欠け始めた月も、今は雲に隠れて光は届かない。
思考を恐怖で塗り潰されながらも、まどかはどうにか覚束ない足取りで後退る。
その間も、足音から一瞬たりとも目を離さない。
まるで熊か何かから逃げてでもいるかのよう。
だが最悪の場合なら、向かってきているのは獣よりも遥かに恐ろしい怪物だ。
視線を外したり、しゃがみ込んでしまえば、待つのは絶対の死。生存への一縷の希望が冷静さを保たせていた。
もう少しで街灯という辺りで、足音が加速した。後退を悟られたのだ。
つまり、まどかの存在に気付いている。
背筋を悪寒が駆け上がった。
ならばこちらもと急いで離れようとしたが、足が縺れて転んでしまう。
「ひゃっ――」
――もう駄目!
終わりかと絶望しかけるまどかに足音は更に近付き、その姿が明かりに照らされ出した。
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