過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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259: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/05/28(月) 02:52:39.54 ID:JqNzRaySo

 まどかは鋼牙と連れ立って夜道を歩く。
 一歩引いて鋼牙の横に並ぶまどかは、時折チラチラと彼を窺っていた。
 精悍な横顔は前だけを見据え、眼は微動だにしない。

 それでいてまどかの様子も的確に把握しているらしく、まどかの早歩きに歩幅を揃えている。
疲れて少し歩調を緩めると、合わせてもくれた。
 見た目ではわかりにくいが、彼が優しく、信用の置ける人物であることは改めて実感できた。
 故に魔物に対する不安や恐怖は、もう欠片も残っていない。何せ最強の存在が傍にいるのだから。

 しかし今、まどかの表情には不安が浮かんでいる。
 彼の隠れた優しさは素直に嬉しいのだが、気難しい性格にまどかは戸惑っていた。
 静寂の夜道を歩く間、二人は一言も口を利いていないのだ。
 
 鋼牙はおそらく沈黙を重苦しいと感じておらず、無駄な会話も必要としないだろう。
そんな彼と何を話せばいいのやら。
 平然と歩く鋼牙の横で、まどかは内心悶々としていた。

――世間話……なんて駄目だよね、全然続く気がしないもん。
じゃあ、ホラーのこととか……。でも何を訊いていいのかわからないし、
知っちゃいけないかもしれないし……。
何か……あぁっ、思いつかないよ急に〜!――

 そもそも大人の男なんて父親や教師以外に馴染みがないまどかである。
まして相手はテレビから出てきたみたいなヒーロー。一般人とは違う、ともかく凄い人間という認識。
 雑談が成り立つはずもない。まどかにとって鋼牙は未知の生物に等しかった。
 考え過ぎて目が回りそうになっていると、

「どうかしたのか?」

 鋼牙が振り向いた。
 どうやら、頭を振って悩んでいるところを不審がられたものと思われる。


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