過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/06/28(木) 03:10:56.40 ID:2bCS3gDYo
「僕を天使と呼ぶ少女もいた。不本意だけど悪魔ともね。妖精なんていうのもあったかな。
わかるかい? 君たちにとっての僕は、君たちの価値観次第でどうにでも変わる。
僕に対する認識なんて、それくらい曖昧なんだ」
「じゃあ、私をどう思っているの? あなたは私を……」
執着がないということ。それは関心がないのと同義だ。ひいては愛も同じ。
それでもマミは訊かずにおれなかった。
敵と思われても構わないなどと言っている時点で、わかりきっているのに。
「君はとても優秀な魔法少女だよ。誇っていい。僕が見てきた中でもかなりの――」
「そうじゃない! 私が聞きたいのはそんなことじゃないわ! あなた個人の意思を訊いているの!」
キュゥべえの台詞を遮って叫ぶマミ。瞳にはいっぱいの涙が溜まっている。
本当に、彼にとっての自分の価値は利用価値の有無でしか測れないのか。
友達だと思っていたのは自分だけだったのか。
目覚めて挨拶する相手がいることに感謝した朝。
休日や学校帰りに一緒にお茶を飲んで安らいだ昼。
魔女との戦いで傷ついた心身が、彼を抱いて眠ることで癒された夜。
数えきれない時間を一緒に過ごした。
キュゥべえがいてくれたから寂しくなかった。
すべての想い出が嘘だなんて信じたくなかった。
しかし、マミがいくら泣こうが叫ぼうが、キュゥべえは微塵も揺れることなく訊き返す。
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