過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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349: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/06/28(木) 03:10:56.40 ID:2bCS3gDYo

「僕を天使と呼ぶ少女もいた。不本意だけど悪魔ともね。妖精なんていうのもあったかな。
わかるかい? 君たちにとっての僕は、君たちの価値観次第でどうにでも変わる。
僕に対する認識なんて、それくらい曖昧なんだ」

「じゃあ、私をどう思っているの? あなたは私を……」

 執着がないということ。それは関心がないのと同義だ。ひいては愛も同じ。
 それでもマミは訊かずにおれなかった。
敵と思われても構わないなどと言っている時点で、わかりきっているのに。

「君はとても優秀な魔法少女だよ。誇っていい。僕が見てきた中でもかなりの――」

「そうじゃない! 私が聞きたいのはそんなことじゃないわ! あなた個人の意思を訊いているの!」

 キュゥべえの台詞を遮って叫ぶマミ。瞳にはいっぱいの涙が溜まっている。
 本当に、彼にとっての自分の価値は利用価値の有無でしか測れないのか。
 友達だと思っていたのは自分だけだったのか。

 目覚めて挨拶する相手がいることに感謝した朝。
 休日や学校帰りに一緒にお茶を飲んで安らいだ昼。
 魔女との戦いで傷ついた心身が、彼を抱いて眠ることで癒された夜。
 
 数えきれない時間を一緒に過ごした。
 キュゥべえがいてくれたから寂しくなかった。
 すべての想い出が嘘だなんて信じたくなかった。

 しかし、マミがいくら泣こうが叫ぼうが、キュゥべえは微塵も揺れることなく訊き返す。




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