過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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352: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/06/28(木) 03:17:24.41 ID:2bCS3gDYo

 ずっと支えとしてきたものが、お人形遊びに等しかったと思い知らされた。
 馬鹿な少女が現実を知って、ひとつ大人になった。
 辛くて悲しいことだが、これをバネに成長すればいい。幸い、自分には新たに支えてくれる人がいる。

 そんなふうに思えたかもしれない。
 話が、これで終わりだったなら。
 マミが、ただの人間だったなら。

「でも、これで遠慮なしに訊けるのは、良かったのかもしれない……」

 立ち上がり言うや否や、マミの身体は光に包まれ、魔法少女の衣装を纏う。
 マミは毅然とキュゥべえを見降ろし、言った。

「あなたが隠していることを話して。全部、一切、包み隠さずに」

 空気が張り詰める。マミは全身を緊張させ、ゴクリと唾を飲み込んだ。
 キュゥべえはまだ動かず、答えようともしない。
 マミはキュゥべえの無機質な瞳から一瞬たりとも目を逸らさないが、思考はフル回転していた。

 マミが魔法少女の衣装を纏った理由。
 ひとつは、前の質問からの切り替えの為。
 これから別のことを問わねばならない。ただの少女でなく、魔法少女として。

 もうひとつは、自分が本気であるという決意の証。そして絶対に逃がさないという意思表示。
 キュゥべえが逃げれば拘束してでも問い質すつもりだ。

 もし万が一抵抗したり、明らかに虚偽とわかる回答をしたならば――。
 いや、そうでなくても真実の闇の深さによっては、そのまま衝動に任せて縊り殺してしまうかもしれない。
 故にマミは理性を総動員し、様々な意味で自身を律する必要があった。

 それほどまでに重いことは、知る前から察しがついていた。
 鋼牙が推理しながらも敢えて口を噤み、ほむらが自分の胸だけに秘めなければならなかったのだ。
 だからこそマミも、暗闇の中で己を見失わないよう、不安に押し潰されないよう、他者との繋がりを求めた。
命が心の支えとなったのも、今になってキュゥべえとの絆を必死に再確認しようとしたのも、その為。 
 だが、おそらく杞憂に終わるだろうとも思っていた。




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