過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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36: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/04/01(日) 23:57:18.19 ID:Tr+qzrIFo

 土煙と混じった爆煙が立ち込め、下の様子は一切窺えない。
が、音や影、何より気配から察するに、少なくとも魔女は倒した。
 彼女たちはどうしているだろうか。マミは残してきた二人の少女に目を向ける。
マスケットのバリアは健在。二人は見えない壁にかじり付くくらい接近して、こちらを見ていた。
両の眼にいっぱいの涙を溜めて。

 みっともないところを見せてしまったと恥じ入ると同時に、本気で心配してくれる人がいることが嬉しい。
 彼女たちが仲間になってくれたら、どんなにいいだろう。そうなれば、この孤独からも解放される。
もう一人でビクビクしながら結界を進む必要もなければ、今日のような予想外のピンチでも切り抜けられる。

――でも、それはたぶん許されない……。
あの娘たちが自らの望みの為に契約するならまだしも、私から誘うことは絶対に。
こんな真実なら、いっそ知らなければ良かった――

 いや、勝手に決めつけて絶望するには早い。まだキュゥべえに確認もしていないというのに。
 そうだ。だからこそキュゥべえを問い詰めて、はっきりさせなければならない。
どれだけ怖くても、結果的に大事な友達を失うとしても、もう目を背けることは許されないのだ。
 マミは一人、拳をきつく握り締めた。
 
 爆煙は未だ晴れない。
 彼はどうしただろう。投げられた直後、黒い物が過ぎり、ガロの姿が一瞬で消えた。
触手の一撃によるものだった。
 それからは確認できなかったが、かつてない威力だったのは間違いない。
地を割り、衝撃がドームを揺らした。普通なら、潰れて生きているはずもないが。

 だが、あの眼は。あの瞬間のガロの眼は、犠牲を受け入れて死にゆく者の眼ではなかった。
 彼なら、或いは。そう思わせる何かが黄金騎士にはある。
 固唾を呑んでマミは目を凝らす。煙が完全に晴れるまでは十数秒を要した。
 やがて視界は明瞭になり――。
 



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