過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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4: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/03/26(月) 00:37:29.99 ID:3kJPE1Eho

 後頭部を強打し、意識は曖昧。ただでさえ霞む視界は、流れた血で赤く染まっている。
五感のほとんどを奪われ、身じろぎひとつできず、為す術もない。
 奇しくも、昨夜のホラーに敗北した時と同じ状態。

 だが、閉じかけられた目蓋に、絶望に暮れかけた昏い瞳に飛び込んできたもの。
 黄金の光。
 これも昨夜と同じだった。
 
 光を映した瞳が、光を吸い込んでいくように徐々に輝きを帯びる。 
 目を見開くと、黄金の騎馬に跨った黄金の騎士が駆けてくるのが見えた。
蹄の音が次第にはっきりと聞こえ、空気の流れまで肌で感じ取れる。

 認識した瞬間、朦朧とした意識が鮮明になっていく。
 ガロが近付いているだけではない。マミの無意識が全身に魔力を送り、五感を働かせ、
痛みを遮断して、身体を動かそうとしていた。その姿を、もっと目に焼き付けようと。
 しかし、全身が砕ける寸前だった身体を、落下までの1,2秒で修復できるはずもなく。
辛うじて動くようになったのは両腕だけだった。 
 
 ガロは手綱を繰り、轟天は手綱から伝わる意思を受け、壁に向けて跳ぶ。
以心伝心――ザルバ同様、言葉を介さなくとも轟天は主の要求に正確に応えた。
 ドームの壁を四足で踏み締め、間を置かず跳躍。主をマミの許に送り届ける。

「掴まれ!」

 僅かに足りない距離を埋めるべく、右手を差し出そうとするガロ。
 マミも手を伸ばすが――そこで不意にガロの伸ばしかけた腕が止まった。
 マミが手を握り返したとして、どうなる? 

 ソウルメタルの鎧に包まれた手で彼女の手を取れば、彼女の皮膚が張り裂けてしまう。
そうなれば、今のマミの状態では命取りになる。完全に盲点だった。



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