過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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428: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/07/09(月) 03:30:21.15 ID:c/OVR7AYo

「マミさん……!?」

 思わず声に出すほどに、彼女の姿は目を引いた。
しかし、それは普段の気品漂う金髪でも、抜群のスタイルでも、顔立ちでもない。
 まどかも同じく目を見開いていた。

 身なりは整っていても隠しきれないやつれ。真赤に腫れた目の下には薄らと隈さえ窺える。
何よりも全身から漂う負のオーラ――とでも言えばいいのか、暗く落ち込んだ雰囲気。
 まどかとは違う、誰の目から見ても明らかな憔悴。
肉体以上に精神が消耗しきっているのは疑いようがなかった。

 その証拠に、横を通る男子生徒の視線がたまに彼女を向くが、すぐにギョッとして遠ざかっていく。
とても美少女に目を奪われたとは思えない。
 声を掛けることすら躊躇われるマミの姿に、さやかもまどかも足を止め、一歩も動けなかった。
 たった一夜で、こうまで人は変わるのか。昨夜、夕木命を救えて喜んでいたマミはどこに行ってしまったのか。
 
――まどかも……マミさんも……あたしが帰った後にいったい何があったのよ!?

 ありったけの声で叫ぶが、それを言葉にはできず、さやかは立ち尽くす。
 マミがこちらに気付き近寄ってくるまで、金縛りは続いた。

 彼ら二人のお陰で、一歩でも前進できた気がした。
 でも、そんなものはただの勘違い。自分は今も変わらず闇の中にいる。
 垣間見えた光明は再び消え、さやかの暗澹とした一日は始まった。




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