過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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464: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/07/26(木) 03:10:15.43 ID:EBKYw+nEo

 だからこそ、マミはキュゥべえに言い返せなかった。事実、選択の余地はなかった。
 自分には彼を糾弾する資格がない。それ故に悔しく、それ故に歯噛みしながら黙るしかなかった。
 せめてもの反抗に、

「都合の悪いことは隠すくせに……」

「言葉が足りないことは嘘とは言わないよ。僕なりに、話さない方がいいと判断したまでさ。
君たちの為にもね」

 ボソッと呟いた言葉にも、キュゥべえは律義に返事をする。
 だが何が少女たちの為なのか、マミにはとても理解できない。

「詭弁だわ。私以外にも、おかしいと思った魔法少女はいくらでもいたはず。
その時の少女たちの嘆きや動揺を見ておいてなお、話さない方がいいなんて言えるの!?」

「真実を知ってからは、ほとんどの少女が時を置かずに脱落していったからね」

「そんな馬鹿な……――!?」

 途中まで出かかって、マミはハッと口を押さえる。
 想像の中の魔法少女が、今の自分と重なったのだ。

 命懸けの戦いがどれほど過酷か、知りもせずに契約して。
 それでも願いの対価と納得して、或いは正義の行いと誤魔化して、戦い続けて。
 やがて終わりの見えない戦いの中で傷付き、精神を擦り減らして。
 ある時おかしいと気付く。
 
 切っ掛けは戦いに嫌気が差したか、人間離れした自身の肉体にショックを受けたか。
 少女はキュゥべえを問い詰めるだろう。一縷の望みに賭けて。
 だが望みは呆気なく打ち砕かれる。



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