過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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468: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/07/26(木) 03:19:47.93 ID:EBKYw+nEo


「ぁあああああああああ――!!」


 ずっと堪えていた涙が、悲しみが噴出した。
 堰を切った感情の波が怒涛の如く押し寄せて、もう制御不能だった。
 誰に遠慮することもない。思い切り声を張り上げて、マミは泣いた。
生まれたばかりの赤ちゃんのように泣きじゃくった。

 両親が死んで自分だけが生き残った日も、同じように泣いていた。
 あの日すべてを失って以来、築き上げた誇りも何もかも砕かれ、絆はまやかしだと知らされた。
 またすべてを失ったマミには、泣くことしか残されていなかった。
 
 泣き疲れてきた頃、ようやく涙と声が止まる。
 しかし、それからもマミは何をするでもなく床に横たわっていた。
疲労困憊のはずなのに、食欲も眠気も湧かない。
体力も気力も使い果たし、僅かに回復しても泣く行為に消費される。
 
 マミの悲嘆は終わることがなかった。落ち着いても、暫くすると思い出して泣けてくる。
 その日、マミは声が枯れ、涙が涸れるまで夜を泣き明かしたのだった。
 



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