過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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474: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/08/04(土) 03:15:47.58 ID:/EHE1KDLo

 鳴り響くチャイムの音が授業の終わりを告げる。
 さやかは終礼と同時にいそいそと片付けを始め、二分とかけずに帰り支度を済ませた。
 放課後はマミとの約束がある。待たせるのも悪いし、恭介の見舞いに行く時間を考えたら、
あまりグズグズしていられない。
 さやかが急ごうと席を立つと、仁美と視線がぶつかった。

「さやかさん。今日は――」

「あ、ごめん仁美。今日は先約があってさ」

 答えると同時に、仁美は表情を悲痛に曇らせる。
 彼女は習い事などで放課後も割と多忙であり、別々に帰るのは珍しくない。
だからこそ一緒に帰れる時は大切にしたいと三人ともが考えていたが、
それにしても今日の反応は過剰だった。 

「朝の巴先輩……ですの?」

「うん、ちょっとね……」

 咄嗟に眼を逸らし、言葉を濁らせてしまう。
本当なら何らやましいこともなければ、負い目だってあるはずない。
 だが、あくまで秘密を伏せて"ちょっと"の部分を語れば、仁美はどう思うだろう。

 ただ遊ぶだけだと受け取られかねない。
 新しくできた、仁美の知らない友人と。
 三人で楽しく。
 彼女一人を除け者にして。

 仁美は酷く傷つくだろう。弁解のしようがない。それなら隠す方がいくらかマシだと思った。
故に、"ちょっと"としか答えようがなかった。それはそれで仁美を傷つけるとしても。


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