過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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479: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/08/04(土) 03:36:11.39 ID:/EHE1KDLo

「そうだよ、さやかちゃん。ほむらちゃんだって親切で……」

――またなの?
また、まどかはそいつの肩を持つの?
あたしの言葉よりも、そいつを信用するの?
どうして……わかってくれないの?
あたしたち、ずっと前から友達だったのに――

「そうよね……あんただけは守ってくれたもんね。
一昨日だって、怪我したあたしを見捨てて二人で一緒に逃げてさ……」

 意思に反して言葉が口をついて出た。こんなこと言いたいんじゃないのに。
 さやかは、静かに拳を震わせる。口の端が引きつる。
 昨日、抱えていた葛藤と同じ。信じたいのに信じられない。

 厄介なことに、一度でも根を張った疑念とトラウマは、拭い去ろうとしても簡単には拭い去れない。
些細なことで表出する度に、自分と誰かを傷つける両刃の剣。まさに今のように。

「違うよ、さやかちゃん! そんなんじゃないよ!」

「もう好きにすれば! マミさん、あたし先に行ってますから!」

 言うが早いか、さやかは廊下を蹴り出した。
 一刻も早くこの場を離れたかった。これ以上自分の醜い面を晒す前に。
黒い感情が言葉の刃に変わって、まどかを傷つけないよう。

「さやかちゃん!!」

 背後から叫び声が届いても止まらない。振り返らずに全力で走り続ける。
 さやかとまどかの身体能力には開きがある。足もずっと速い。
本気で走れば追い付いてこられないだろうから、顔も見られずに済む。
 今は自分の顔を見られたくない。まどかにも合わせる顔がない。




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