過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
1- 20
489: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/08/07(火) 02:47:53.82 ID:fZ6/9zuSo

「これ、美樹さんにあげようと思ってたの」

「これ……楽譜?」

 五線譜の上に踊る音符。音楽の授業でも見た、それは確かに楽譜だった。
もっとも、読み方はほとんどわからなかったが。

「ヴァイオリンの楽譜。昨日、家に帰ってから探して見つけたの」

「へぇ、夕木さんヴァイオリン弾けるんですか?」

 さやかは初めて好意的に問い返した。
恭介の件でさやかの態度は軟化し、徐々に命に気を許し始めていた。
 目を閉じた命はゆっくりと首を振る。 

「私じゃないわ。これね、私の恋人が作った曲なのよ。曲名もない、作りかけの曲」

 やがて目を開くと、命は遠くを見つめた。
 想い出を懐かしむようでもあり、辛い過去を悔やむようでもあった。 
 その目からは、とても幸せなエピソードを期待できるとは思えず、

「でも、彼は事故で二度とヴァイオリンが弾けなくなってしまった」

 予想通り、悲しい結末が語られた。
 さやかはハッと息を呑む。
 事故でヴァイオリンを弾けなくなった男。
 それを傍で見ていた女。
 多少の差異はあれど、さやかは今の恭介と自分に重ねた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/567.33 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice