過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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576: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/09/03(月) 01:57:17.71 ID:cjJ5eeRJo



 遡ること約三十分。
 涼邑零は屋外に並べられたイスに腰掛け、ひと時の休息を楽しんでいた。
 流行りの店だけあって人は多いが、男の一人客は彼だけである。
だが、まったく気にする様子はなく、テーブルにはケーキやパフェが所狭しと並んでいた。

『相変わらず、甘い物ばかりよく食べるわね。それも二日続けて。
そんなに燃費の悪い身体でもないでしょうに』

 零の左手首のアクセサリが、小声で囁く。
 母親のような口調で零をたしなめるのは、魔導具シルヴァ。
 シルヴァの言う通り、零がこの店を訪れるのは、二日連続。
そして、その時もテーブルには色とりどりのデザートが散りばめられていた。

 甘い物嫌いでなくとも胸焼けを起こしそうな、普通の人間には明らかな糖分と脂肪の過剰摂取。
 しかし零は、常人の数倍の運動量を日々こなし、肉体の造りからして異なる魔戒騎士。
必ずしも過剰ではない。

 他に必要な栄養も摂っており、その証拠に彼の身体は体調を崩すことも、
贅肉を蓄えることもあり得ない鋼の肉体。
 その点は、何年も行動を共にしているシルヴァは心得ている。
それでも、たまにこうして難色を示すことはあったが。

 また、甘党である零だが、そう毎日毎日、甘味を必要としている訳でもない。
 では何故、零は今日もこの場にいるのか。
 夜を迎える前のささやかな休憩と補給。それもあるが、本来の目的は他にある。
 シルヴァの小言に、またひとつ皿を空けた零が苦笑しながら答えた。

「少なくとも、誰かさんみたいに安い菓子で口寂しさを紛らわす必要はないけどな」



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