過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
↓
1-
覧
板
20
579
:
◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/09/03(月) 02:19:05.87 ID:cjJ5eeRJo
その一言を零が発した瞬間、空気が変わった。
どうやら、一言でも杏子を刺激するには充分だったらしい。
「テメー……」
杏子は静かに身を乗り出し、零の胸倉を掴む。声こそ荒げていないが、彼女の怒りは本物だ。
昨日、挑発した時もそうだった。嵐の前触れのように穏やかになっているのが、逆に危険信号なのだ。
その髪は赤く、しかし表情は青いまでに白い。
青く静かに燃える炎。
今の杏子を表現する最適の言葉。
その青い炎に間近で晒されても、零は薄い笑みを絶やさなかった。
「ぶっ殺すぞ……あたしは食い物を粗末にする奴は許せねーんだ……!」
テーブルにはまだケーキ、プリン、タルトなどなどが大量に残っている。
どれもこれも、まだ手も付けられていない。ドロドロに溶けたアイスなど、残っても捨てられるだけだ。
大量に頼んでおいて半分近くを残すなど、杏子でなくとも眉をひそめる行為。
ただ彼女の場合、他にも隠された何かがある。零に対する怒りも、そこから来ている。
その何かの正体に朧気にでも気付いていながら、敢えて零が口にしたことも杏子を駆り立てていた。
「だったら、あんこちゃんが手伝ってよ」
と、零は胸倉を掴まれたまま、しゃあしゃあと言ってのけた。
あからさまな挑発。が、単なる挑発ではない。
彼が無意味にこんなことをするはずがないと、杏子もまた見抜いたのだろう。
でなければ、とっくに槍を握り、零に向けている。
だからこそ、企みに乗るのは癪と考えた。怒りよりも、いいように動かされる方が気に食わないと。
その証拠に杏子は零を睨んで動かない。零も口を開かない。
そして、先に折れたのは杏子だった。
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
1002Res/567.33 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1332687612/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice