過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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641: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/10/01(月) 03:14:49.76 ID:RipvUQ6So

 夕木命と、美樹さやか。
 二人は一見、仲睦まじく手を絡め合っているものの、
さやかが顔面を蒼白にして小刻みに震えているのを、零は見逃さなかった。

 零はそっとさやかの顔が杏子に見えないよう立ち位置を変え、テーブルを叩いて注意を引き付ける。
同時に、二人の手首を握って、各々の手を離す。
 片方は熱いくらいの汗で濡れていて、もう片方は氷のように冷たかった。
 
「お楽しみのところ悪いけど、ちょっと付き合ってもらえるかな」

 言うと、零は背後の杏子に目配せして頷いた。
 事前に打ち合わせもしなかったが、合図には充分。
 行け、という指示だ。

「あの……」

「おっと、あんたに用があるのはあたしだよ」

 さやかが何か言うより早く、杏子は手を取って強引に歩き出す。
 乱暴で気遣いの欠片も感じられない扱い。まるで、何かを振り切るかのようだった。
 
「ちょっ――!」

 としか零には聞こえなかった。
続くさやかの抗議は杏子に向けられていたが、すぐに抵抗も空しく引きずられていく。

 後は命と、杏子に手を振って見送る零だけが残された。
 命は少なからず呆気に取られていたようだが、すぐに零を睨みつける。
その目つきは、とてもただの女とは思えないほど鋭く、冷やかだった。




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