過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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664: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/10/09(火) 03:07:26.01 ID:PFShUIago

 完全に離れるより早く、零の手は命の右手を掴んだ。
 それ自体に大した意味はなかった。この程度で決着がつく訳でもない。
彼女の提示した条件に付き合っただけ。

 かと言って無意味でもない。
 戯れはいらない。ここから本当の戦いを始めようと、互いに確認する為に必要な儀式。
 油断はなかった。あったとすれば、誤算。

 突如、掴んだはずの命の手から抵抗が消える。
 まるで腕がすっぽ抜けたよう。
命を捕まえておく為の力は行き場を失い、零の身体がグラついた。
 
 その時、起こった事象に、零は目を見張った。
 命の腕が肉体と離れていたのだ。
そして本体はというと、二の腕の断面が濃いオレンジ色の光に包まれ、肘は見えない。

――こいつは……!

 直接は見ていないが、記憶にある。
 ホラー、モロク。
 腕を切り離し、炎と氷を持つ。過去、接触はしたが、直前で冴島鋼牙に譲ったホラーだ。
 
 このケースは前もって予測できたはずなのに。
 だが悔しがるより早く、零は握っていた手を振り解いた。
冷たかった肌に、異常な体温の高まりを感じたからだ。

 零が手を掴んでから、ほんの一秒か二秒。
気付くと、腕は何事もなかったかのように身体に戻っていた。
 周囲は何が起こったのか理解が追い付いていない。自らを疑い、目を擦る者も多かった。




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