過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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675: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/10/15(月) 02:20:22.06 ID:QhBuy+iGo

「違う。そんなんじゃないよ」

『どうかしら』

 シルヴァが続けるのはきっと、優しい、とか、甘い、といった言葉だろう。
 だから零は苦笑した。
 別に、そんなつもりはない。あくまで打算の積み重ねによる判断だ。
自分とさやかも含め、メリットとデメリットを秤にかけて、メリットが勝っただけ。

「おっと。お喋りはここまでみたいだぜ、シルヴァ」

 そんな会話を交わしているうちに、目的に着いたらしい。
 命が足を止めず駆け込んだそこは、街灯もなく、ビルや家々の明かりもネオンもない。
屋内であることに加え、月が雲に隠された今では、月光さえ届きはしない完全な闇。
 
 そこは打ち捨てられた廃ビル。
土地の所有者はもちろん、浮浪者も不良も寄りつかず、野良猫やネズミすら住んでいるか怪しい。

 つい昨日まで、魔女の巣窟として多くの人間を誘い入れて逃がさなかった死の廃墟は、
巴マミが魔女を討ち、自殺を試みた夕木命を救出した場所。
 そして、彼女が敢えてここを戦場に選んだということは、
ホラー・モロクと化した夕木命とも関係があるはずだ。

 つまり、この先は相手の縄張り。中でホラーが息を潜めて待ち受けているのは間違いない。
しかし零は微塵も臆することなく、堂々とした足取りで踏み込んでいった。



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