過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/11/14(水) 02:23:52.36 ID:fguhyBUEo
その目は杏子を見返し、その口は薄く微笑んでいた――ように見えた。
何故こちらに気付いた? その意図は?
考えるより先に、杏子は魔法少女の衣装を纏っていた。
零がいるビルに背を向け、屋上の端まで全速力。
振り返って槍を構え、魔力を全身に滾らせる。
――あれは挑発だ。あたしを誘ってやがる。来れるもんなら来てみろ、って。
わかっていても止められない。
――このまま指を咥えて見てりゃ、あいつの思惑に乗せられることはない。
ただし、見返してやることもできない。
一泡吹かせるとか、この落とし前をつけさせてやるなんて絶対に無理だ。
行けばあいつの思惑通り。危険も大きい。
けど、メリットもある。
ホラーの存在が今の見滝原では避けて通れないってんなら、知っておく必要はある。
それに、これは無謀な賭けじゃない。
もし野郎が本当に絶体絶命のピンチだとしたら。
で、あたしが加わってもどうにもならないなら。
あそこに呼び寄せるはずがないんだ。
あたしが加勢するか、"使う"ことで、"楽に"勝てると踏んだから呼んでる。
あたしを盾にするとか、囮にして自分だけ逃げるとか、まず確実に死ぬ状況も作らないだろうさ。
いけ好かない奴だけど、なんとなくわかる。あいつはたぶん、そういう奴じゃない。
もっとも、いいや、だからこそ……――
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