過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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779: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/11/14(水) 02:23:52.36 ID:fguhyBUEo

 その目は杏子を見返し、その口は薄く微笑んでいた――ように見えた。
 何故こちらに気付いた? その意図は?
 考えるより先に、杏子は魔法少女の衣装を纏っていた。

 零がいるビルに背を向け、屋上の端まで全速力。
 振り返って槍を構え、魔力を全身に滾らせる。

――あれは挑発だ。あたしを誘ってやがる。来れるもんなら来てみろ、って。

 わかっていても止められない。

――このまま指を咥えて見てりゃ、あいつの思惑に乗せられることはない。
 ただし、見返してやることもできない。
 一泡吹かせるとか、この落とし前をつけさせてやるなんて絶対に無理だ。

 行けばあいつの思惑通り。危険も大きい。
 けど、メリットもある。
 ホラーの存在が今の見滝原では避けて通れないってんなら、知っておく必要はある。
 それに、これは無謀な賭けじゃない。

 もし野郎が本当に絶体絶命のピンチだとしたら。
 で、あたしが加わってもどうにもならないなら。
 あそこに呼び寄せるはずがないんだ。

 あたしが加勢するか、"使う"ことで、"楽に"勝てると踏んだから呼んでる。
 あたしを盾にするとか、囮にして自分だけ逃げるとか、まず確実に死ぬ状況も作らないだろうさ。
 いけ好かない奴だけど、なんとなくわかる。あいつはたぶん、そういう奴じゃない。
 もっとも、いいや、だからこそ……――



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