過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/03/26(月) 02:19:59.84 ID:3kJPE1Eho
ガロは決して適当にマミを投げてはいなかった。
魔女を確実に仕留める方法、マミ自身の安全も確保できる場所はひとつ。
マミは慣性に身を任せつつも姿勢を整え、頭を進行方向に向ける。見る見るドームの壁面が、突き刺さった牙狼斬馬剣が迫る。
手に握ったリボン、ガロが放したリボンを斬馬剣に伸ばして結んだマミは、勢いを殺しながら身体を引き寄せた。
深々と食い込んだ斬馬剣は、マミが乗ったくらいではビクともしない。つまりは安定した足場となる。
眼下では、魔女が自身で巻き上げた土煙に苛立ち、闇雲に触手を振り下ろしている。それが更に土煙を立てるというのに。
ガロを探すのに夢中で、上から悲しげに見下ろすマミには、まったく気付いていないようだった。
「あなたが元は魔法少女だとしても、私はあなたを倒さなくちゃいけない……」
――それは何故?
魔法少女としての使命?
鹿目さんと美樹さんを救う為?
冴島さんへの対抗心?
それとも……――
心の声が問いかける。
迷いが再び顔を出しそうになる。
マミは首を振って、疑念を払う。
今は考えない。言い訳もしない。
「……ごめんなさい」
魔女に気取られる訳にはいかないので、そっと小声で呟く。
それでも言わずにおれなかったのだ。
リボンが螺旋に広がり、銃身を形作る。
背中を壁に押し付け、巨大な銃を抱え、両足に力を込める。
身体を射撃体勢で固定したマミは、ゆっくり下方に狙いを付けて引き金を絞る。
「ティロ……フィナーレ……!!」
必殺の光弾は完全に無防備な魔女の頭上から発射され、直撃した。
今度こそ、魔女は跡形もなく爆散しただろう。
閃光に照らされたマミの頬を、一筋の涙が伝った。
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