過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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801: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/11/26(月) 02:40:27.48 ID:DfgLvHbDo

 モロクの注意を杏子が引き付けた隙に、零は壁を伝って横を走り抜ける。
 左腕はあくまで剣を返すまいと離れていくが、零は逃げる以上の速さで追い縋る。

 再びの跳躍。
 壁を蹴って左腕を飛び越し、逃げ道を塞ぐつもりだろうが。

 突然、左腕は目標を変え、空中の零を狙って動いた。
 自身の手の甲から突き出た剣を、攻撃に利用するつもりなのだ。
  
 零は杏子との戦いでも、何度か空中で攻撃をかわす荒業を見せた。
 しかし鎖とは違い、相手は意思の通った身体の一部。
離れていようと命令の伝達速度は、武器として操る槍の比ではないはず。
そう易々と避けられるだろうか。

 危機を伝えなければ。
 何故か咄嗟に思い、大きく息を吸う。

「――っ!」

 しかし、言葉にはならなかった。
 ホラーが杏子を目掛けて蹴りを繰り出した。 
 鈍重なように見えて、意外に素早い。おまけに重い。

 辛うじて槍の柄で防御したものの杏子は大きく後退し、
そちらに注意を取られて声を出せなかった。

――ヤバい!

そう感じたのは、どちらに対してだったのか。
とにかく、杏子は無意識に零を目で追い――その目を見張った。
 剣を捨て、迫り来る刃を両掌で挟んで止めたのだ。それも空中で身を捻った不安定な体勢で。




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