過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/11/26(月) 02:49:37.21 ID:DfgLvHbDo
それは果たして、どういう意味なのか。杏子は疑問に思い、一瞬そちらに気を奪われる。
が、真意を問う前に、モロクの咆哮が正面の杏子を直撃した。
おそらく、零が剣を強引に引き抜いたせい。
耳をつんざく苦痛の叫び。生臭い風に髪を煽られ、杏子は飛び退きながら槍を抜いた。
傷口からは黒い体液がパッと舞い散る。
返り血は杏子の手前の床に落ち、やがて吸われるようにして消えた。
距離を取った杏子は顔に玉の汗を浮かばせ、荒く息を吐いた。
危なかった。零がいきなり謎の発言をするものだから不意を突かれた。
その緊張は悲鳴に驚いた為であって、返り血を浴びる危険にではない。
零の忠告がなければ、杏子は返り血を物ともせずに追撃していただろう。
彼女はまだ、その意味を知らなかった。
また、その場では聞き直すこともできなかった。
ようやく双剣を取り戻した零が立ち上がったから。
まだ彼が駆け出してから15秒と経っていない。
二三度、右手を握っては開き、感覚を確かめる零。
これなら問題ない。痺れも痛みも完全に消えていた。
そして零は両手の魔戒剣を順手に持ち替えると――。
双剣を交差させた後、天に掲げた。
――……? 何を……
杏子が首を傾げたのも束の間。
零が手首を回転させると、それぞれの剣先が白く光の軌跡を描く。
生まれた双つの円は直上で重なってひとつとなり、紋章が浮かんだかと思うと、眩い光が溢れる。
そして、膨大な光のシャワーが零を包んだ。
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