過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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829: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/11/28(水) 02:34:39.40 ID:eOaRaOmYo

 この世のものとは思えない神秘的な、まさしく上天の光。
 
 その瞬間、不思議と杏子は記憶が揺さ振られるのを感じた。
 二度と戻らない、遠く懐かしい日々。
 だからこそ今も鮮明な、優しく、幸せな想い出。

――あれはいつだったか……あたしがまだ、神様を信じていた頃……。
 
 珍しく早く目覚めた、真冬のある朝。
まだ陽も昇ってないのに、父さんは礼拝堂にいた。
 外は雪がチラつき、吐く息も白く凍る中、あたしも父さんを手伝って掃除したりして。
 そのうち妹のモモも起きてきて、二人でお祈りの真似事なんかしていた時。

 朝日が昇り、教会を包み込んだ。

 朝の清冽な空気に、ステンドグラスから降り注ぐ光は眩しくて、雪はキラキラ輝いていて。
 まるで天使が羽根を散らしながら舞い降りてきたみたいだった。
 あの時ばかりは、神様は本当にいるんだと思えたっけ。

 元々、神父の娘だからって信仰心が強かった訳じゃない。
 信仰の何たるかなんて理解してなかったし、今でもわかっちゃいない。
 お祈りも父さんに言われた通りに過ごしていただけ。

 だから神と言っても、跪いて拝むとか、そういう対象とは違う。
 これまでの人生で、とびきり綺麗な感動と似ていた。
 言ってしまえばそれだけ。

 なのに、胸が苦しいのはどうしてだろう。
 過去を思い出してしまったから?
 それとも、この光を切なく感じてしまうから?
 もしあたしが、あの頃のままだったなら、もっと素直に想いを表せたのかな――
 



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