過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/12/11(火) 03:04:51.77 ID:mzUXsX6Bo
――やっ……た……!?
投げたままの姿勢で杏子は固まっていた。
が、すぐにその表情が驚愕に歪む。
キリキリとぎこちない動きでホラーが振り向いたのだ。
威力より速攻を優先したとはいえ、手応えはあった。
相手が魔女であっても必殺の一撃だったはずだ。
頭の中が疑問符で埋め尽くされる。
昨日の、ホラーは殺せないという、零の言葉が現実味を帯びて思い出される。
まだ闘志は萎えていない。反撃の意志は手折られてはいないのに。
杏子は膝をつき、項垂れた。
またもヴァイオリンの旋律が響く。
手放した槍を再生成しても、それを振るえはしなかった。
杖代わりにして、なんとか崩れないように保つのが限界だった。
今の杏子は、非常に不安定な状態にあった。
さしずめ闇に張られた一本の綱の上にいるようなもの。
落ちこそしなかったものの、大きく揺れ、バランスを崩した。
その原因は、ホラーに止めを刺せなかったからではない。
再び眼に幻が映る。
いつの間にか時は流れ、恋人たちにも変化が訪れていた。
安らぎを否定し、幸せに背を向けた杏子。
しかし幻の第二幕は、前にも増して彼女の心を乱し、
絶望に誘うには充分な内容だった。
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