過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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882: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/12/11(火) 03:04:51.77 ID:mzUXsX6Bo

――やっ……た……!? 

 投げたままの姿勢で杏子は固まっていた。
 が、すぐにその表情が驚愕に歪む。
 キリキリとぎこちない動きでホラーが振り向いたのだ。
 
 威力より速攻を優先したとはいえ、手応えはあった。
 相手が魔女であっても必殺の一撃だったはずだ。

 頭の中が疑問符で埋め尽くされる。 
 昨日の、ホラーは殺せないという、零の言葉が現実味を帯びて思い出される。
 まだ闘志は萎えていない。反撃の意志は手折られてはいないのに。

 杏子は膝をつき、項垂れた。

 またもヴァイオリンの旋律が響く。
 手放した槍を再生成しても、それを振るえはしなかった。
杖代わりにして、なんとか崩れないように保つのが限界だった。

 今の杏子は、非常に不安定な状態にあった。
 さしずめ闇に張られた一本の綱の上にいるようなもの。
落ちこそしなかったものの、大きく揺れ、バランスを崩した。
 
 その原因は、ホラーに止めを刺せなかったからではない。
 再び眼に幻が映る。
 いつの間にか時は流れ、恋人たちにも変化が訪れていた。

 安らぎを否定し、幸せに背を向けた杏子。 
 しかし幻の第二幕は、前にも増して彼女の心を乱し、
絶望に誘うには充分な内容だった。



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