過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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893: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/12/18(火) 03:32:07.76 ID:r6v7avV+o

 放たれた瞬間に、これまでと違うことをゼロは察する。
 曲線を描いて飛ぶ二つの弾は、杏子を囲み、円の中に閉じ込めた。
 まんまと杏子が罠に掛かった事実に、ゼロにも少なからず動揺が走る。

 人前での鎧の召喚を禁じる掟があるが、まさかこんな形で重要性を実感するとは思わなかった。
 しかも、ただの炎弾と氷弾かと思いきや、耳を塞いで膝をつく杏子。
 苦悶の表情で身をよじる。どうやら、彼女にしか聞こえていない音に苦しめられているらしかった。

「ちっ……あんこちゃん! ちょっと待ってろよ!」

 反応はない。声も届いていないようだった。
 急ぎ駆け寄ろうとするゼロの行く手を、分離した両腕が阻む。
 背後の敵は排除したものの、後がないモロクは持てる全力でゼロに抗った。

 モロクの反撃は熾烈を極めた。
 ゼロも高速で双剣を振るうが、十合、二十合と斬り結ぶも、突破には至らない。
 
 こいつは手こずりそうだ。
 ゼロは打ち合いながらも、冷静に状況を分析する。
 だが同時に、こうも思っていた。

 勝てない相手ではない。 
 99.9秒の制限時間内には押し切れる。
 今度は余裕でも慢心でもない。ただ自信と予感があった。

 それよりも危ないのは杏子だ。急がなければ彼女は持たない。
 どんな干渉を受けているのか知らないが、
少なくとも彼女の周囲を飛び回る炎と氷の塊は徐々に接近している。



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