過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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895: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/12/18(火) 03:40:34.33 ID:r6v7avV+o

 つい昨日、彼女を挑発するのに使った台詞だが、
零は決して杏子を侮ったり見下して言ったのではない。
 むしろ、好感すら抱いていた。
 その野良犬のような眼光こそ、彼女に興味を持った理由なのだから。

 それは若さゆえ、未熟さゆえの光。
 また、彼女自身の境遇のせいもあるのだろう。
 どこか懐かしいのは、かつて同じ眼をしていた少年を知っているからか。

 とある老いた魔戒騎士に拾われた少年がそう。
 修行を始めた頃、完膚なきまでに叩きのめされ、数えきれないほど地を這わされた日々。
 少年は師を睨みつけ、敵わないとわかっていても、何度でも立ち上がった。

 愛する義父と愛する女性を同時に奪われた夜。
 周りも見えないくらいに怒りの炎を燃やし、この手で仇を討つと誓った。
 時には義父、時には仇敵、時には戦友。思えば彼は常に自分より強者に挑んでいた。

 虚勢を張って、無理をして。
 それでも、独り意地を貫こうとする姿。
 懐かしく思うのは丸くなった証だろうか、と軽く自嘲する。
 そして杏子は宣言通りに、弱々しくも自らの力のみで立ち上がった。
 
――さぁて。そっからどうする気だ、あんこちゃん? 




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