過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/12/18(火) 03:40:34.33 ID:r6v7avV+o
つい昨日、彼女を挑発するのに使った台詞だが、
零は決して杏子を侮ったり見下して言ったのではない。
むしろ、好感すら抱いていた。
その野良犬のような眼光こそ、彼女に興味を持った理由なのだから。
それは若さゆえ、未熟さゆえの光。
また、彼女自身の境遇のせいもあるのだろう。
どこか懐かしいのは、かつて同じ眼をしていた少年を知っているからか。
とある老いた魔戒騎士に拾われた少年がそう。
修行を始めた頃、完膚なきまでに叩きのめされ、数えきれないほど地を這わされた日々。
少年は師を睨みつけ、敵わないとわかっていても、何度でも立ち上がった。
愛する義父と愛する女性を同時に奪われた夜。
周りも見えないくらいに怒りの炎を燃やし、この手で仇を討つと誓った。
時には義父、時には仇敵、時には戦友。思えば彼は常に自分より強者に挑んでいた。
虚勢を張って、無理をして。
それでも、独り意地を貫こうとする姿。
懐かしく思うのは丸くなった証だろうか、と軽く自嘲する。
そして杏子は宣言通りに、弱々しくも自らの力のみで立ち上がった。
――さぁて。そっからどうする気だ、あんこちゃん?
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