過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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898: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/12/20(木) 03:05:48.02 ID:P2uWvMw9o

 双剣がモロクの両腕と激突、火花を散らす。
 ゼロは杏子を横目で気にしながらも、もう心配はしていなかった。
彼女を助け出す確かな手立てがあった訳でも、逆転の秘策に気付いてもいない。

 杏子が力及ばず死ぬ可能性は、依然として高い。
 だとしても心配しないのは、それを彼女が望んでいるから。
 単純でドライな理由だが、彼なりの敬意でもあった。

 杏子が自分の太股に槍を突き刺しても。
 血を流し、痛みに悶えても、それは変わらない。
なんら動じることなく、己の務めを果たす。
 魔戒騎士の務め。ホラーを狩り、人を守る。それこそが魔戒騎士の誇り。
  
 掟には拘泥しないが、誇りは守る。
 騙そうが賺そうが、ホラーは倒す。
 では、少女をホラーとの戦いに巻き込むのが騎士の在り方かと問われると――。

――ま、そこはそれってことで。

 杏子を呼んだのは、彼女が庇護の対象ではなく、荒削りだが一人前の戦士だと認めたから。
 昨日から考えてはいたのだ。果たして護り、遠ざけるだけが彼女らの為だろうかと。
どうせ無関係ではいられないのに。
 杏子にしろマミにしろ、守られるだけのお姫様を望みはしないだろう。

 今宵、零はホラーの作戦を見抜けず、危うく追い詰められかけた。
しかし見誤っていたのは、ホラーの知恵だけではなかった。
 魔法少女を。もっと言えば佐倉杏子という少女を、心のどこかで軽んじていた。




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