過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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923: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/12/31(月) 23:51:55.65 ID:kS6KKwzDo
 
 感情を爆発させた女は抵抗にも構わず、必死に、半狂乱の勢いで男に迫る。
 縋る女と、拒む男。
 二人は不安定なビルの外縁で揉み合い――。

 不意に、女の両手が男を押した。
 踏ん張りが利かず、男はぐらりと揺れ、そして。 
 後退ったそこには、何もない。

 男の身体が空中に投げだされた瞬間、時間が止まった。
 いや、止まっていたのは時間ではなく、女のすべて。
 ただただ、景色だけがスローモーションで流れていく。

 視線が交差する。
 その目は驚愕に歪んでいた。
 何が起こったのか理解できていないのは、彼も同じ。
しかし、ほんの一瞬、理解が追い付いた彼の瞳に浮かんだ感情。
 
 烈しい怒り。
 絶望と諦めを凌駕する怒気は、男の最後の尊厳すら奪ってしまったからなのか。
 言い訳も謝罪も許さず、男は女の前から消え去った。
 永遠に――。




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