過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2013/01/12(土) 03:55:22.90 ID:4pqoiOsuo
*
もともと自殺しようとしていたのだから、細工は簡単で済んだ。
男は自殺として処理され、女は悲しみに暮れるただの恋人でしかなかった。
実際に心から悲しみに暮れてはいたのだから、誰に怪しまれることもなかった。
女に向けられたのは、非難ではなく同情。
真実は闇に葬られた。
一時は安堵したものの、すぐに過ちだったと気付く。
夜毎の悪夢にうなされ、猜疑心が精神を埋め尽くす。自責の念は、絶えず重く圧し掛かる。
存在を認められない罪は許されもしない。かと言って、今さら真実を告白し、罰を乞う勇気もなく。
犯した罪に苛まれ、女は緩やかに壊れていった。
否、あの日に壊れていたのだとすれば、深みへ堕ちていったと言うべきか。
ある夜、街を歩く女は、ふと懐かしい音色を聞いた気がして振り向く。
すれ違ったのは、ヴァイオリンケースを持った少年だった。
少年は新聞に載った経験もあるが、知名度があるかと言えば然程でもない。
周囲の人間を除けば、ヴァイオリンに興味のある人間しか目に留めないだろう。
少年にとって不幸だったのは、彼女がヴァイオリンに未練を残していたこと。
実際にコンクールなどで少年の姿を眼にし、印象に残っていたこと。
そして何よりも、彼女が正気を失い、狂気に支配されていたこと。
彼の技術と資質は、直接その目と耳で感じた。
まだ十代前半にして才気に溢れ、既に想い人と並ぶ――将来的には超えるだろうと予感した。
天才というのは確かにいるのだと、震えが走ったのをよく覚えている。
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