過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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944: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2013/01/12(土) 04:11:15.30 ID:4pqoiOsuo


 タガが外れたように、その後も次々と凶行を重ねていく女。
 被害者は老若男女を問わず、およそ常人には無差別としか思えないだろう。
互いに、まったく関わりのない被害者たち。
彼らは、何となく幸せそう、という理由だけで選ばれていた。

 手口は主に突き落とし。
 駅のホームで。
 急な階段で。
 海や河で。

 そうやって事故や自殺を偽装することもあれば、
刺殺や絞殺など、明らかに殺人とわかる方法で殺したりもした。
 また、犯行に至るまでの下準備と調査は、気紛れな選定と正反対に、驚くほど綿密だった。

 だが、それを差し引いても、犯行が露見しなかったのは運命の悪戯としか言いようがない。
神――もとい、悪魔の加護を受けているかのように。

 夢も希望も失った女は、他人の夢と希望を奪うことに快感を覚えた。
 まるで麻薬のような恍惚。
 中毒者が禁断症状から逃れる為に一時の快楽を求めるように、彼女もまた溺れていった。
 先に待つものが更なる地獄、そして破滅と知りながら。

 女には、とことん己を貶めることが、罪を犯すことこそが罪の意識から逃れる方法だった。
 矛盾しているが、男を殺した罪に他の罪を重ねて、
いつか自分の中で個々が薄れるのではないかと期待したのだ。
 愛した男を殺したことが、次第に幾多の罪のひとつになり果てていったように。



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