過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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980: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2013/02/05(火) 02:57:19.54 ID:bSU8f1Sbo

「ここに置いてもおけないだろ? さっきの戦闘で派手にやり過ぎた。
誰か来るかもしれないからさ」

 彼女の為と言うより、自分の為に。
 得にならないばかりか、不利益でしかないからだ。
 杏子がこのまま幻に囚われて帰ってこないのも、誰かに発見されて保護されるのも。

 杏子が何を見ていようが関係ない。無理にでも戻ってもらう。
 たとえ甘い夢に浸っていようと、辛い過去を直視することで何らかの答えを見出そうと。
 
 零が双剣を抜き放ち、その内の一本を左手の甲に添え、魔戒剣にシルヴァの艶めかしい唇が触れる。
 鏡のように磨かれた、もう一本の剣身には杏子の姿を映した。
 剣を重ね、杏子を映したまま唇が触れた箇所を打ち鳴らす。

 キィーーン、と長く澄んだ高音と共に、青白い光が波紋状に広がり、杏子の身体を通り抜けた。
 杏子はビクンと大きく震えると、前のめりに倒れる。
 その様は電源を切られ、強制的に停止させられた機械を連想させる。
 零が杏子の術を断ち切り、一瞬で意識を奪ったのだ。

 零が身体を抱き留めても、目蓋は閉じられたまま、何の反応も示さない。完全に意識を失っていた。
 
「よっ……と」

 両腕で杏子を抱え上げる零。
 腕の中で眠る少女は想像より、ずっと軽かった。
 とても激戦を潜り抜けてきたとは思えない、華奢な身体。強く力を込めれば壊れそうなほど。




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