過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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989: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2013/02/09(土) 01:45:58.31 ID:icOT/Ycyo

 が、足に力を込めた瞬間、

「っっ……!!」

 太股に痛みが走って、思わず動きを止めた。
 昂っていた戦闘中はまったく気にならなかったのに、悲鳴が漏れそうになって咄嗟に噛み殺す。

「まだ動くな。もうちょっと安静にしといた方がいい」

 零に肩を押されて元の姿勢に戻されても、抵抗もできなかった。
 大人しく壁にもたれる杏子。そこから1mほど離れた向かいの壁に、零も寄りかかる。
 
 無理を承知で立ち上がろうとしたのに、深い意味はない。
 上から見下ろされるのは不快だったが、屈まれても困るので、それはいい。
 強いて言うなら、独りになりたかったのかもしれない。
零の前でだけは、弱い自分を見せたくなかったのかも――。

 およそ十分は経っただろうか。
 その間、一切の会話はなかった。目を合わせもせず、互いに降りしきる雨を淡々と眺めていた。
 出血は完全に止まり、動いても痛みが少なくなった頃、

「それで? これからどうする?」 

 零が口を開いた。
 突然の、それも主語を省いた質問に、杏子は怪訝な顔で、

「はぁ? どうするって、何がさ」

「言ったろ、協力してくれたお礼。約束は守るよ。ご馳走でも、決闘でも」




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