4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)
2012/03/26(月) 01:44:20.60 ID:BN2r+rtG0
ナックくんは犬に似ている。
マルチーズのような愛玩犬じゃなくて、律儀にあたしに付き従う、例えば忠犬ハチ公に。
そう思いついたその日の夜、当のナックくんに言ってみた。
「わん、って言って」きょとんとしているから、じぃっと睨んでみる。しばし言葉に詰まっていたナックくんだけど、大して時間も経たないうちに「わん」と小さく呟いた。
噴き出したのはほぼ同時。ソファーで笑い転げるあたしと、舌打ちしながら苦笑うナックくん。
「まったく、お姫さまには敵わねーな」
カーペットから立ち上がったナックくんは、執事がよくやるような、うやうやしい仕草であたしの手を取る。
そのまま、引き寄せられて、くるりと回され落とされて、ナックくんの胡座の中にぴったり着地。いつのまにやらいつものポジション。文句を言う間もなく、後ろから首筋にキスされた。
恋愛に主従関係があるとするなら、もちろん主人はあたしのはずだけど。「当たり前じゃないか」 そう、よね?
それじゃ、あたしたちの周りに、あたしの服だけが、あたしの意志じゃなしに、散らばっていくのはなんでだろ。
「わん、って言ってみ」
「……わんっ、わんッ」
なんでだろ。
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