過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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112: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:34:36.05 ID:h7sEMOtHo
そこまで言いかけ、咄嗟に言葉を切る。
今の発言は……不用意、だった。

今の言い方では、彼が上位の「ワルキューレ」に比肩、いやそれ以上の力を備えている事になる。
普通ならば、それは誇るべき事のはずだ。
驕る事さえも許されるような、名誉であるはずだった。

しかし彼は、その名誉を喜ばない。
ワルキューレより下の存在でありたかったとまで言っている。

勇者「……そうか」

堕女神「…申し訳ありません」

勇者「いや、聞いてくれ。……俺は、最後の一閃を放ってこう思ってしまったんだ」

堕女神の脳裏に、ほんの数十分前の光景が蘇る。
刺突を放ったワルキューレが、武器を弾き飛ばされてその場に膝を折った姿を。
あふれ出た血と濡れた髪で表情は見えず、想像するしかなかった事を。

勇者「『――ああ、こんなものか』」

ことさらに冷たく、感情を込めずに口にした。
勇者自身も、吐いた言葉がこれほどの冷淡さを備えるとは思わなかった。
堕女神もまた、かけるべき言葉が見つからないままで立ち尽くす。



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