過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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22: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/26(月) 05:28:23.50 ID:5OyPL7Mao
不意に、サキュバスAが口を離す。
何本もの糸を引きながら、ゆっくりと離れる口は、まるで手を繋ぐ恋人達にも似ている。

ワルキューレの心には、複雑な感情がいくつも去来していた。
名残惜しげな当て処ない視線が虚空を泳ぎ、
反面、解放され、ようやく空気にありつける事を喜び、激しく息を吸い込む。
拍子に口内に泉のごとく湧いていた唾液を気管に吸い込んでしまい、咳き込む。
咳き込みながらも絶え絶えに息を吸い込む動作は、傍目にも苦しい。
涙を零しながら咳き込む姿は、嗜虐心を通り越して、むしろ萎えてしまいそうなほどだ。

―――ただし、それは、人間にとっての話だ。

両者とも、口元はどちらのものとも知れない唾液でぐっちょりと濡れていた。
揺らぐ灯に照らされ、ぬるりとした光沢が口元を覆う。
石造りの寒々しい空間に、ワルキューレの荒い呼吸が響き渡る中。
サキュバスAは、何処から取り出したハンカチで口元を拭う。
細やかなレースを縫いこんである純白のハンカチは、彼女のイメージに凡そ似つかわしくない。
彼女を知る者なら、そう答えるだろう。
しかし、レース付きのハンカチで口を拭う所作は、どこか高貴な印象を与えられる。
不思議なほどに、釣り合っていた。

ワルキューレ「っ…は……はぁ……はぁ……」

サキュバスA「ふふ、奪っちゃった。奪っちゃったぁ、あなたの……はじめてのキ・ス」

ワルキューレ「っ…殺…す……殺して……やる……!!」

サキュバスA「怖いわぁ。怖すぎて……手が滑っちゃったわ」

ワルキューレ「ひんっ!?」

悪ノリするような言葉とともに、「右手」が、再びワルキューレに秘所に滑り込んだ。


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