過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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5: ◆1UOAiS.xYWtC[sage]
2012/03/26(月) 05:14:26.51 ID:5OyPL7Mao
午後、勇者が昼餉を終えて少し経った頃に件の彼女が城へと到着した。
蝙蝠の翼を持つサキュバス達が、凛とした白い肌の戦乙女達を、強引にエントランスへと連れ込む。
表情は誇り高きワルキューレの矜持を崩さず、今なお闘志を湛えていた。
翼飾りのついたサークレット、黄金色に輝くキュイラス、脚甲と手甲も同様に、触れがたく神々しく輝いていた。

ワルキューレ「穢らわしい淫魔どもめ!私に触れるな!」

後ろ手に縛られ、武器たる槍も没収された今では、それは虚勢にしか聞こえない。
事実、彼女はもう抵抗の術などない。
脇を固めるのは、魔界でも高位の存在である淫魔達。
いくら彼女といえど、この差を引っくり返す事などできはしない。

堕女神「……それでは…」

言って、吹き抜けから降りて行こうとする彼女を制した。

堕女神「……?」

勇者「まぁ、待てって」

そして、ひとり階段を降りていく。
忍び笑いを浮かべながら、悪巧みをしている盗賊のような表情だ。
堕女神は、彼が何をしようとしているのか、まるで理解できない様子で。


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