過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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51: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 02:43:02.52 ID:h7sEMOtHo



身に刺さるような寝藁の上、惰眠を貪る「彼女」。
その寝顔は、囚われの身とは思えぬほどに、美しく見える。
ブロンドの髪はゆるいウェーブを描き、乱れて。
すぅすぅと寝息を立てる姿は、最低限に身を隠すだけのボロ布をまとって、儚げに美しい。

ばしゃぁ、っと、サキュバスAは提げたバケツから水をかける。
瞬間、ワルキューレは身を切るような冷たさに覚醒して、格子から反対側の壁へと飛び起きて逃避した。

サキュバスA「……お目覚め?捕虜の分際で、ずいぶんとよくお眠りでしたわね」

痛烈な言葉に、彼女は言い返す事ができない。
眠っている所に、冷え切った水を浴びせられたのだから。
ただでさえ寒い地下牢に、気化した体温が失せていく。
抗議の声すら上げられず、遂にはかたかたと震えだす。

サキュバスA「さて、お楽しみの時間ですわ」

がちゃがちゃと金属音を立て、鉄格子の錠前が開けられ、格子扉も開放された。
逃げるなら、今だろう。
しかし――冷え切った地下室で冷水を浴びせられた体は、言う事を聞いてくれない。
体温を少しでも上げるために震え続け、ろくに抵抗もできないまま、独房から引きずり出される。


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