過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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77: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:01:15.11 ID:h7sEMOtHo
勇者「ほっとけない奴だな、お前も」

ふ、と笑って言う。
彼女の体の震えは落ち着き、整った息は紛れもない「寝息」へと調子を変えた。

勇者「…寝るか」

床に落ちていた毛布を拾い、彼女と共に潜り込む。
丁寧に織られたそれは、滲むように暖かく、そして軽い。
最初こそ冷え切ってはいたが、二人分の体温ですぐに暖かくなった。

勇者「……もう一人のサキュバスより手がかかりそうだ、こいつは」

室内で飼われた猫を連想させる、安心しきった寝顔。
魔族とは思えない、隙だらけの状態。
勇者はそれに対し、呆れるでもなく、ただ、微笑ましく見ていた。

―――あぁ、彼女は、彼女らは。
―――俺になら、こんな顔を見せてくれるんだな。
―――こんな、俺にも。

心の中でさえ、言葉として固まってはいない。
そんな想いがもやもやと雲のように漂っていた。


しばし寝顔を見つめた後、勇者も眠りへ落ちていった。



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