19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/03/29(木) 17:19:28.79 ID:TOjhpbtQ0
女「……自分で切ったんでしょう」
男「は!?」
思わず女の顔を見る。
女は、目を細めていまだ男の手の甲を凝視していた。
女「利き腕の右手で、何か鋭利な切っ先をゆっくりゆっくり這わせたのね。これはそういう傷よ。
決して猫の引っかき傷なんかじゃない。」
そう言って男の顔を見上げる。
予想外に真っ直ぐな目を向けられて、思わず目をそらし俯く。
男「離せよ。関係ねーだろ、女には」
ひったくるように手を離す。
女は一瞬驚いたようだったが、すぐに静かな表情に戻った。
女「……そうね。関係無いわ」
そう言い、眼鏡を外してティッシュで拭き始める女。
気まずい沈黙が流れた。
手持ち無沙汰なので、女の手の動きを目で追う。
起用にレンズを拭きフレームを磨く一連の所作は、洗練されていて不覚にも見惚れてしまった。
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